乾式変圧器 とは？特徴や構造、原理、用途など乾式変圧器について解説！

乾式変圧器 の特徴や構造、原理、用途など乾式変圧器について解説していきます。

乾式変圧器 とは？

乾式変圧器は、冷却のために液体（通常は油）を使用せず、空気やガスなどの乾燥した冷却媒体を利用する変圧器です。

この種の変圧器は、火災のリスクが低く、環境に優しいという特徴から、商業ビル、病院、学校、地下鉄など、安全性が特に重要視される場所で広く利用されています。

乾式変圧器は、その構造上、液体冷却式の変圧器に比べてメンテナンスが容易であり、設置場所を選ばないため、様々な環境での使用が可能です。

乾式変圧器 の特徴

高い安全性

油を使用しないため、漏れのリスクがなく、火災や環境汚染の危険性が大幅に低減されます。

環境に優しい

液体冷却媒体を使用しないため、廃棄物が少なく、環境への影響が小さいです。

メンテナンスの容易さ

液体の補充や交換が不要で、比較的メンテナンスが容易です。

設置の柔軟性

液体漏れの心配がないため、室内や人が多く集まる場所でも設置が可能です。

乾式変圧器 の構造

乾式変圧器の主要な構造要素には、鉄心（コア）、巻線、絶縁材料、冷却システムが含まれます。

鉄心はシリコン鋼板の積層で構成され、高い透磁率と低いヒステリシス損失を実現しています。

巻線は、一次巻線と二次巻線に分かれ、それぞれが特定の絶縁材料で覆われています。

絶縁材料は、高温や湿度に強い特性を持つ材質が選ばれます。

冷却システムは、通常、空気自然冷却（AN）や強制空冷（AF）など、空気を利用しています。

乾式変圧器 の原理

乾式変圧器の動作原理は、他の変圧器と同様に電磁誘導の法則に基づいています。

一次巻線に電源を接続すると、鉄心を介して変化する磁束が発生し、これが二次巻線に電圧を誘導します。

この過程で、一次巻線と二次巻線の巻数比に応じて、電圧の昇降圧が行われます。

乾式変圧器では、この原理を用いながらも、冷却に液体ではなく空気を使用する点が特徴です。

乾式変圧器 の用途

商業施設

ショッピングモールやオフィスビルなど、多くの人が集まる場所での使用に適しています。

教育施設

学校や大学などの教育施設で、安全性が特に求められる環境で利用されます。

医療施設

病院やクリニックなど、高い安全性と信頼性が必要な場所で広く使用されています。

産業施設

工場やデータセンターなど、設備の信頼性を高めるために導入されます。

交通インフラ

地下鉄や空港など、交通の要所での使用にも適しており、安全性を確保しつつ、電力供給を行います。

参考文献

乾式変圧器とは何ですか？ どのような種類がありますか?

乾式変圧器 製品一覧