UHF ・HF・LFとは?それぞれの違いなどについて解説!

UHF ・HF・LF

UHF ・HF・LFの3周波数帯は通信距離・用途・タグ形状が大きく異なります。

本記事では各帯域の特徴と選定ポイントを端的に解説します。

UHF とは

UHFは「Ultra High Frequency(超高周波)」の略で、300MHz〜3GHzの周波数帯域を指す電波のことです。テレビ放送やスマホ通信など私たちの身近なところで使われている電波なんです。製造業では、UHF帯を利用したRFID(電子タグ)システムが特に注目されています。

このUHF帯の電波は「遠くまで届き、データ通信速度も速い」という特徴があり、工場内の在庫管理や生産ラインの追跡に最適です。たとえば自動車部品工場では、組み立てラインの各工程で部品にUHFタグを取り付けることで、どの部品がどこにあるのか、いつ組み立てられたのかをリアルタイムで把握できます。

HFとは

HF(ハイフリークエンシー)とは、高周波のことで、3MHz~30MHzの周波数帯域を指します。電波の一種として、通信や製造業のさまざまな場面で活用されている技術です。HFは電波が電離層で反射する特性があるため、「遠距離通信に適している」という大きな特徴があります。

製造業では、HF技術を使った高周波誘導加熱装置が金属部品の熱処理や溶接に広く活用されています。たとえば、自動車部品の製造ラインでは、エンジン部品の焼き入れ処理にHF誘導加熱が使われ、部分的に素早く加熱できるため、生産効率が大幅に向上します。また、半導体製造工程での精密な接合作業や、金属表面の硬化処理にも利用され、製品の耐久性や精度を高めるのに役立っています。

LFとは

LFとは「Low Frequency(低周波)」の略で、30kHz〜300kHzの周波数帯域を指す電波のことです。この周波数帯は波長が長く、障害物を回り込む性質があるため、遠距離通信や特殊な用途に適しています。製造業では、LF帯を利用したRFID(無線自動識別)タグが部品管理や生産ラインの効率化に活用されています。

LFの大きな特徴は、金属や水分の影響を受けにくく、安定した通信ができること。例えば、自動車工場では、組立ラインの各工程で部品にLF帯RFIDタグを取り付け、作業の進捗状況をリアルタイムで管理。これにより生産効率が向上し、ヒューマンエラーも減少させることができます。

UHF・HF・LFの比較

項目LF(長波)HF(短波)UHF(極超短波)
周波数30kHz〜300kHz3MHz〜30MHz300MHz〜3GHz
波長10km〜1km100m〜10m1m〜10cm
伝搬特性地表波で遠距離伝搬
障害物に回り込みやすい
電離層反射で遠距離通信可能<br>昼夜・季節で変動直進性が強い<br>見通し距離内での通信
通信距離数千km数千〜1万km以上数十km(地上)<br>衛星通信は世界規模
主な用途• 時刻標準電波
• 航空標識
• 潜水艦通信
• 短波ラジオ
• アマチュア無線
• 航空・船舶通信
• 携帯電話
• 地デジ
• 無線LAN
• Bluetooth
アンテナサイズ非常に大型中型〜大型小型
データ容量低い中程度高い
障害物の影響影響を受けにくいやや影響あり影響を受けやすい
気象の影響ほとんどない電離層の状態に依存降雨減衰あり

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