鉄損 は、変圧器に関する専門用語としてよく出てきます、具体的には、鉄損は変圧器や電動機などの電気機器において、交流磁束によって鉄心に生じる損失のことを指します。
この記事では、鉄損の概要や、銅損との違い、具体的な鉄損の求め方などについて解説していきます。
鉄損 とは?
鉄損とは、変圧器や電動機などの電気機器において、交流磁束によって鉄心に生じる損失のことを指します。
鉄損は、ヒステリシス損失と渦電流損失の和で表されます。
ヒステリシス損失
磁性材料の磁化と減磁にエネルギーが消費されることによって生じる損失です。
渦電流損失
交流磁束によって鉄心に誘導される渦電流によって生じる損失です。
鉄損 と 銅損の違いとは?
まず、銅損とは、電気機器の巻線(コイル)に電流が流れることによって発生するジュール熱損失のことを指します。銅損は、巻線の抵抗値と電流の二乗に比例します。
そのため、鉄損と銅損には、以下のような違いが生まれます。
要因 | 詳細 |
---|---|
発生原因 | 鉄損は交流磁束によって鉄心で発生するのに対し、銅損は巻線に流れる電流によって発生します。 |
周波数依存性 | 鉄損は周波数の増加とともに増大しますが、銅損は周波数に依存しません。 |
温度依存性 | 銅損は温度の上昇とともに増大しますが、鉄損は温度にあまり依存しません。 |
鉄損の求め方
鉄損 = ヒステリシス損失 + 渦電流損失
ヒステリシス損失は、以下の式で表されます。
Ph = kh * f * Bm^n * V
- Ph:ヒステリシス損失 [W]
- kh:ヒステリシス損失係数(材料定数)
- f:周波数 [Hz]
- Bm:最大磁束密度 [T]
- n:材料によって決まる定数(通常は1.6~2.0)
- V:鉄心の体積 [m^3]
渦電流損失は、以下の式で表されます。 Pe = ke * (f * Bm * t)^2 * V
- Pe:渦電流損失 [W]
- ke:渦電流損失係数(材料定数)
- f:周波数 [Hz]
- Bm:最大磁束密度 [T]
- t:鉄心の板厚 [m]
- V:鉄心の体積 [m^3]
詳細は、こちらの記事を参考にしてください。