励磁電流 とは?変圧器における励磁電流や、励磁電流と磁束の関連性について解説!

励磁電流

励磁電流 は、発電機や電動機、変圧器などの電気機器において、磁気回路を励磁するために流す電流のことです。励磁電流の大きさを制御することで、電気機器の出力電圧やトルク、電圧変換比などを調整でき、安定した動作と効率的な運用に不可欠となります。

この記事では、励磁電流に関する基礎知識から、変圧器における励磁電流、励磁電流と磁束の関連性について解説していきます。

励磁電流 とは?

励磁電流は、電気機器の磁気回路を励磁するために流す電流のことです。主に、発電機や電動機、変圧器などで使用されます。読み方は、れいじでんりゅうです。

励磁電流は、交流または直流で供給されます。交流励磁の場合、励磁電流の周波数は主回路の周波数と同じになります。一方で、直流励磁の場合、励磁電流は一定の値に保たれます。

励磁電流の大きさを制御することで、発電機の出力電圧や電動機のトルク、変圧器の電圧変換比などを調整することができます。適切な励磁電流の制御は、電気機器の安定した動作と効率的な運用に不可欠です。

変圧器における励磁電流

励磁電流は、一次巻線に流れる電流の一部であり、変圧器の無負荷時にも流れています。励磁電流によって生じる損失は、無負荷損失と呼ばれ、鉄損(ヒステリシス損失と渦電流損失)と銅損(巻線の抵抗による損失)で構成されています。

そのため、励磁電流の大きさは、変圧器の効率に影響を与えます。励磁電流が大きいほど、無負荷損失が増加し、変圧器の効率が低下します。つまり、変圧器の設計では、励磁電流を最小限に抑えることが重要となります。

励磁電流と磁束の関連性

励磁電流と磁束の関係は、電気機器の動作原理を理解する上で非常に重要です。励磁電流は、電気機器の磁気回路に磁束を生成するために流れる電流です。

発電機や電動機、変圧器などの電気機器では、励磁電流によって生成された磁束が重要な役割を果たします。発電機では、回転子の励磁電流によって生成された磁束と、固定子巻線の導体が切る磁束の変化によって電圧が誘起されます。電動機では、固定子の励磁電流によって生成された磁束と、回転子導体に流れる電流によって生じる磁束の相互作用によってトルクが発生します。変圧器では、一次巻線の励磁電流によって生成された磁束が鉄心を通って二次巻線に鎖交し、電磁誘導によって二次巻線に電圧が誘起されます。