ラベルタグと金属タグの違いについて解説します。
ラベルタグ とは

ラベルタグは製品や部品に情報を表示するための小さなシールや札のことで、製造現場での識別や管理に欠かせないアイテムです。生産ラインでは、部品の型番や製造日、ロット番号などの「必要な情報を一目で確認できる」という大きなメリットがあります。
最近のラベルタグは耐熱性や耐水性に優れたものが増えており、過酷な環境でも情報が消えにくくなっています。バーコードやQRコードが印刷されたタイプなら、スキャンするだけで在庫管理システムと連携できるため、作業効率が大幅に向上します。
金属タグ とは

金属タグは、製品や設備の識別・管理に使われる耐久性の高い表示プレートのことです。工場や建設現場、屋外環境など過酷な条件下でも情報を長期間保持できるよう、アルミやステンレスなどの金属素材で作られています。
これらのタグには製造番号や型式、警告文などが「消えない文字で刻まれる」ため、紙ラベルでは対応できない高温環境や化学物質にさらされる場所でも活躍します。レーザー彫刻や刻印、エッチングなどの方法で文字や情報が表示されるのが特徴です。
自動車製造では、エンジンブロックに金属タグを取り付けて製造履歴を管理したり、化学プラントでは配管や設備の識別に使用されています。また、防爆エリアでは静電気を発生させない金属タグが安全管理に貢献しています。
ラベルタグと金属タグの違い
ラベルタグと金属タグの比較表を作成します。
特性 | ラベルタグ | 金属タグ |
---|---|---|
構造 | 薄型シール状、ICチップとアンテナを紙/フィルムに埋込 | 特殊層構造、電波を金属から隔離する設計 |
用途 | 一般的な商品管理、資産管理、防犯システム | 金属製品管理、工業用機器、自動車部品など |
金属面対応 | 非対応(金属面で性能が極端に低下) | 対応(金属面でも安定した読取性能) |
耐久性 | 限定的(一般環境向け) | 高い(防水性・耐熱性・耐薬品性) |
取付方法 | 貼り付けるだけ(シール状) | 貼り付けまたはネジ/リベット等で固定 |
読取距離 | 金属がない環境では良好 | 金属環境でも安定した距離を確保 |
コスト | 比較的安価(大量導入向け) | 高価(特殊用途向け) |
サイズ | 薄型で様々なサイズが選択可能 | やや厚みがあり、特殊設計が必要 |
使用環境 | 一般的な室内環境に最適 | 過酷な産業環境、屋外環境にも対応 |
寿命 | 比較的短い | 長期使用向けに設計 |
この比較表から分かるように、ラベルタグは一般的な環境での大量導入向けに適しており、金属タグは特殊環境や金属製品管理など専門的な用途に適しています。