RFID のメーカーや製品・サービス一覧について紹介します。そのため、メーカーや製品・サービスをスムーズに探すことができます。また、RFIDに関する概要や特徴、用途などについても紹介しています。
RFID とは

RFIDとは「Radio Frequency Identification(電波による個体識別)」の略で、ICチップとアンテナを内蔵したタグを使って、無線通信で情報をやりとりする技術のことです。
バーコードと似ていますが、直接見えなくても読み取れるのが大きな特徴です。
物流センターでの在庫管理や製造ラインでの部品追跡、小売店のセルフレジ、交通系ICカードなど、私たちの身近なところでも活用されています。タグに触れなくても一度に複数のタグを読み取れるので、作業効率が格段に上がります。「一瞬で棚卸しが完了する」といった業務改革も可能になるんですよ。
製造現場では、部品の追跡管理や組立工程の自動化に役立ち、人為的ミスの削減や生産性向上に貢献しています。また、偽造防止や盗難対策としても活用され、ビジネスの様々な場面で欠かせない技術となっています。
RFID の特徴

「RFIDは現代のビジネスにおける目に見えない革命児」と言われるほど、様々な業界で活用されています。それでは、RFIDの主な特徴を詳しく見ていきましょう。
非接触通信と高速読取
RFIDの最大の特徴は非接触での通信能力です。タグとリーダーの間に物理的な接触や視認性が不要で、13.56MHzの高周波(HF)帯では10cm程度、900MHz帯のUHF帯では最大10m程度の距離から読み取りが可能です。
また、読取速度も非常に高速で、UHF帯のRFIDでは、理論上1秒間に500タグ以上を同時に読み取ることも可能です。ただし、実運用では環境やシステム構成により数十〜数百タグが一般的です。
多様な周波数帯と用途別設計
RFIDは使用する周波数帯によって特性が大きく変わります。
項目 | 周波数 | 内容 |
---|---|---|
低周波(LF) | 125kHz | 読取距離が短い(10cm以下)ものの、金属や水分の影響を受けにくいという特徴があります。 |
高周波(HF) | 13.56MHz | ICカードなどに広く使われ、データ転送速度は最大424kbpsに達します。 |
超高周波(UHF) | 860-960MHz | 長距離読取(最大10m)が可能で、物流管理などに適しています。 |
マイクロ波 | 2.45GHz | 高速道路のETCなどに使われ、高速移動体の認識に優れています。 |
データストレージと暗号化機能
最新のRFIDタグには、96ビットから8キロバイト以上のメモリ容量があり、単なるID番号だけでなく、詳細な製品情報や履歴データを保存できます。また、セキュリティ面では、AES-128やDES暗号化アルゴリズムを実装したタグも登場しており、データの盗聴や不正コピーを防止します。Gen2規格に準拠したUHFタグでは、32ビットのパスワード保護や疑似ランダム番号生成機能を備え、セキュリティを強化しています。
RFID の仕組み

タグとリーダーの基本構造
RFIDシステムは主に「タグ」と「リーダー」の2つの要素で構成されています。
タグは小さなICチップとアンテナから成り、識別したい物体に取り付けます。このタグには固有のIDや情報が記録されています。一方、リーダーは電波を発信して、タグから情報を読み取る装置です。
タグには電池を持たないパッシブ型と、自前の電源を持つアクティブ型があり、用途によって使い分けられています。パッシブ型は小型で安価なため、多くの場面で利用されています。
RFID における在庫管理

在庫管理でもRFIDはよく利用されています。具体的な利用方法を見てみましょう。
非接触での一括読み取り能力
RFIDの最大の強みは、タグを直接見なくても読み取れる点です。バーコードのように一つずつスキャンする必要がなく、一度に複数のタグ情報を取得できます。例えば、段ボール箱の中の商品も、箱を開けることなく内容を把握できるんです。これにより、棚卸し作業が従来の何分の一にも短縮されます。また、読み取り距離も種類によっては数メートル以上に及ぶため、高い場所や奥まった場所の商品も簡単に確認できます。
リアルタイムでの在庫把握
RFIDシステムは常時監視が可能なので、在庫状況をリアルタイムで把握できます。商品が入荷されたとき、移動したとき、出荷されたときなど、その動きを即座にシステムに反映できます。
これにより、在庫切れや過剰在庫を防ぎ、適正な在庫レベルを維持しやすくなります。特に回転率の高い商品や季節商品の管理には、このリアルタイム性が大きな武器になります。データの更新遅延がないので、経営判断もスピーディーに行えるようになりますよ。
詳細な個体管理と追跡能力
RFIDタグには固有のIDが割り当てられるため、同じ商品でも個体ごとに管理できます。これにより、製造日や賞味期限、ロット番号などの詳細情報と紐づけた管理が可能になります。例えば食品業界では、特定のロットに問題が見つかった場合、該当商品だけを素早く特定して回収できるんです。
RFID の種類
RFIDの種類の見分け方については、いくつかの方法があります。具体的について解析していきます。
電源方式による分類
RFIDタグには電源の有無によって、パッシブ型とアクティブ型、セミパッシブ型があります。
項目 | 内容 |
---|---|
パッシブ型 | 内部に電池を持たず、リーダーから発せられる電波のエネルギーで動作します。そのため小型・軽量で安価、半永久的に使えるのが魅力です。 |
アクティブ型 | 内部に電池を持ち、自ら電波を発信でき、通信距離が長く(数十メートル)、センサーと組み合わせた高度な用途に使われます。 |
セミパッシブ型 | パッシブ型とアクティブ型の中間的な特性を持つもあり、電池は持ちますが通信には使わず、センサーなどの駆動用に使います。 |
メモリ特性による分類
RFIDタグに保存できる情報の種類や量も重要な特徴です。
読み取り専用(RO)タグは製造時に情報が書き込まれ、後から変更できません。一度だけ書き込み可能(WORM)タグは初期状態では空っぽで、一度だけデータを書き込めます。読み書き可能(RW)タグは何度でも情報の更新ができ、最も柔軟性があります。また、メモリ容量も数バイトの単純なIDだけのものから、数キロバイトの大容量まで様々なタイプがあります。
形状とサイズによる分類
RFIDタグは用途に合わせて様々な形状があります。
カード型は社員証や交通系ICカードなどでおなじみですね。
ラベル型は薄いシール状で商品などに貼り付けやすく、物流管理でよく使われます。
コイン型やキーホルダー型は耐久性に優れ、繰り返し使用する場面に適しています。